動画セミナーをYouTubeで開くには?

勉強会やセミナーもその例に漏れず、オンライン上で行われることが多くなりました。
『ウェブ』と『セミナー』の2つの言葉を組み合わせた『ウェビナー』という単語が生まれ、今では当たり前のように使用されているくらい数多く開催されています。
このような状況の中で、今回の記事では実際の設定や配信作業ではなく、これからセミナーをYoutubeで配信してみたいと興味を持っている方向けに事前に知っておいた方が良い情報を共有したいと思います。
目次
Youtubeでセミナーが開けるの?
結論から述べますと、Youtubeでのオンライン動画セミナーは簡単に開催することができます。
スマートフォンにYoutubeのアプリケーションがインストールされており、Googleのアカウントでログインすれば、スマートフォン1台で即座にライブ配信を開始することが可能です(ただし、2020年11月17日時点での情報ではスマートフォンからのライブ配信にはチャンネル登録者数1,000人以上が必須条件)。
近年のスマートフォンの高画質化とアプリケーションの機能向上により、誰でも簡単に動画を撮影・編集してYoutubeを始めとした動画サービスにアップロードすることが可能になってきました。しかし、比較的大規模なセミナーの配信の場合、画質や声の聞き取りやすさ等を考慮するとスマートフォン1台で行うよりも、配信サービスを専門とした会社等に依頼することも念頭に入れておいた方が良いでしょう。プロに依頼するにあたっての注意点は、この記事の後半で詳しくご紹介します。
先に触れたように、Youtubeの動画再生の広告収益だけで生活している人も日に日に増えています。それと比例するように、Youtubeの広告を出稿する企業やサービスも増えており、宣伝広告の場としてもYoutubeは切っても切り離せないものとなりつつある現状です。
新型コロナウイルスの流行により、私たちの生活は大きく変わりつつあります。在宅ワークに切り替える企業も増え、打ち合わせなどのコミュニケーションの大半をインターネットを介して行うように変化しています。在宅時間が多くなったためか、動画の配信サービスの需要も右肩上がりの状況が続いています。そのほとんどが『サブスクリプション』という課金方式で、ユーザーは毎月一定額を支払い、コンテンツはどれだけ視聴しても金額は変わらないという方式です。数年前までは、1つのドラマや映画のコンテンツに対してお金を支払う形式が一般的でしたが、今は全てのコンテンツを視聴する権利を一定額で得られる形式がメジャーになっています。
動画配信に関しては、子供が将来就きたい職業のランキングに『YouTuber(Youtubeの動画再生で収益を得ている人)』がランクインするなど、社会的にも影響が大きく今後も私たちの生活に、より密着したものになることでしょう。
このように、YouTubeでの動画配信は我々の日常生活においてかなり身近になりつつあるのです。そのYouTubeを使ってオンラインセミナーを開くという流れも、ある意味自然なことなのです。次の項から、特にYoutubeを使ったセミナー配信について詳しく解説していきます。
※出典:株式会社クラレ.「2020年版『新小学1年生が将来就きたい職業、親が就かせたい職業』」
Youtubeでセミナーを開催するメリット
YouTubeの特徴は、そのままセミナー開催のメリットにつながります。メリットを確認してみましょう。
Youtubeの圧倒的な認知度とユーザー数
Youtubeでセミナーを開催する上で、1番のメリットはサービスとしてのYoutubeの認知度の高さとユーザー数の多さです。誰もが知っていて日常的に使用しているサービスであれば、新規アカウントの登録などの煩雑な手続きをせずにすぐに視聴してもらえるのが強みでしょう。
例えば、視聴したい番組があっても、ユーザー登録で入力項目が多いと登録完了まで至らず、番組自体を視聴してもらえない可能性もあります。しかし、既に多くの人が利用しているサービス上でセミナーを開催するということは、視聴する側が新しくアカウントを作らなくてもいいということになりますので、これは十分なメリットとなりうるでしょう。Youtubeで企業や個人のアカウント(チャンネル)を『チャンネル登録』してもらうことで、新着動画をアップロードした際に自動的に視聴ユーザーに通知が送られるという利便性があります。アップするたびにお知らせを送らずに済むという点ではこちらも大きなメリットでしょう。
限定公開で有料セミナーにも
セミナーをライブ配信する場合は、Youtubeの配信設定画面内でセミナーのタイトルや概要、開始日時などを登録するとリンクのURLが生成されるので、それを事前に告知することで、視聴者はその時間にインターネットに接続されている手持ちの端末でアクセスすれば簡単に視聴が可能です。
無料のセミナーではなく、有料のセミナーを配信したい場合もYoutubeでは『限定公開』という機能があり、URLを知っている人しか視聴できない設定があるため、何らかの手段で決済をしてもらった後にそのユーザーに対してURLを伝えれば有料のセミナーの開催においても特に問題はありません。
YouTubeの便利な無期限保存機能
2020年11月17日時点のYoutube動画配信の仕組みでは、ライブ配信動画を『無期限』で保存することができるため、急な用事などでリアルタイム視聴できなかったユーザーへのフォローも簡単に行えます。ほとんどの動画サービスでは、この『無期限保存』の機能がないため、これもYoutubeを選択するメリットとなり得るでしょう。
これはYoutubeに限ったことではありませんが、インターネットを介したセミナーの配信の別の利点としては、参加者が決まった時間と決まった場所に足を運ぶ必要がないことが挙げられます。現地に行かなくても参加できるということは大きなメリットで、これまで様々な理由でセミナー会場へ行けなかったユーザーが簡単に参加できるようになり、今までリーチできなかったユーザー層への訴求も可能になります。
インターネットに繋がる状態であれば、PCでもタブレット端末でもスマートフォンでも視聴者側が自由に閲覧できるという点で、Youtubeをセミナー配信のプラットフォームとして利用する上では手軽かつユーザーに優しいと言えるでしょう。
Youtubeセミナーの注意点
Youtubeでのセミナーにおいて、意外に重要視されていないのが「音声の聞き取りやすさ」です。映像や資料などの見え方は勿論重要ですが、肝心のスピーチが明瞭に聞こえないとユーザーにとってはかなりのストレスになってしまう恐れがあります。マイクのノイズ(雑音)も然りです。そのため、音声に関しては事前のリハーサル等でしっかりと確認しておくことが重要です。
また、会場に実際に足を運ばないオンライン型のセミナー全般の問題として、質疑応答をどうするかという課題があります。Youtubeの配信では、視聴者がチャットの欄に任意のコメントを書きこむことができますが、コメントが多い場合は全てのコメントに対してその場で回答することは難しいため、別の問い合わせフォームなどを事前に作成しておき、セミナー中や終了前にアナウンスすることで視聴者へのフォローとすることができるでしょう。
後述にて詳しく説明しますが、セミナーを配信する会場のインターネットやWi-Fi環境は必ず事前に確認しておくべきです。仮に接続環境があったとしても、何かしらのトラブルに対応できるように別のWi-Fi端末を用意しておき、すぐにそちらに切り替えられるように用意しておくと良いでしょう。
Youtubeセミナーの告知はどうするの?
Youtube上でのセミナー配信の告知に関しては、いくつかの手法が考えられます。
出演者がインフルエンサーなら告知が容易
仮に出演者がインフルエンサー(特定の分野において大きな影響力を持っている人)的な立場であれば、当人のSNS等で告知してもらうだけでかなり大きなアプローチとなることは間違いなく、幅広く情報が拡散されることが望まれます。
Web広告を利用するのも手
もし上記のように出演者がインフルエンサーなどではない場合は、Web広告を利用する方法があります。セミナーの内容が専門的なものであれば、広告費は発生するもののその分野に興味のあるユーザーにターゲットを絞って広告を配信することができるので、集客も望みやすいでしょう。
例として、Facebookでの広告では、『ユーザーの興味(ユーザーが興味のある分野を登録している場合のみ)』の項目から特定のキーワードを選択することでそのユーザーに広告が配信される仕組みとなっており、テレビのCMと違ってターゲットに直接訴求しやすいという利点があるため、セミナーの特性を考えた上で積極的に利用すると集客により繋がりやすいというメリットがあります。
告知の際に重要となるのは、それを見た人の興味をいかに引くかという点です。ブログやSNSがとにかく広告だらけになっているインターネットの現状の中で、ほとんどのユーザーは広告は無視してしまいます。余程のことでない限り内容を確認していないのが現状です。その中で興味を持ってもらうためには、限られた文字数の中で詳細を見たくなるような文面をよく考える必要があるでしょう。
プレスリリースを利用する
ある程度大きな規模のセミナーの配信であれば、プレスリリース(広報)の掲載代行サービスを利用するのも1つの手法として考えられます。プレスリリースサービス会社と契約した上で、必要なタイトルや文面、画像などを登録すればほぼ自動で主要なニュースサイトなどにニュース記事として掲載してもらうことができるので、多くの人の目に留まることとなるでしょう。この方法も広告と同じにはなりますが、やはり開催するセミナーの特徴や他のセミナーとの違いを明確に打ち出すことで、より効果的な集客を考えることが重要です。
Youtubeセミナーの撮影はプロに頼むべき?
実際のセミナー配信は機材調達から設定まで、全部自分で行うのがベストでしょうか?ここでは、プロに頼むメリットなどを紹介します。
プロに頼んだ方が低リスク
『ウェビナー』が数多く開催されるようになり、映像機器メーカー各社から映像の配信に特化した機材が数多く発売されるようになりました。
初心者向けのエントリーモデルは数万円から、業務用になると数百万円規模までかなり幅広い選択肢が出揃っている状況ですが、逆にどれを使って良いかがわからないという声も多くあります。その中でも人気の機種は注文が大量に殺到し、今でも入荷待ち状態のモデルがあるくらいです。ただし、比較的上のクラスの機材の使い方に関してはカメラの接続から設定や配信までそれなりの知識がないと使いこなせないものが多く、配信トラブルを避けるという意味合いでは専門の会社に依頼した方がリスクは低いでしょう。
少々技術的な内容になってしまいますが、複数のカメラの映像を切り替えながらセミナーの配信をしつつ、それぞれのカメラの映像データを自動で保存してくれる機材もあるため、セミナー終了後に、各カメラの映像の切り替えを再編集したりテロップや資料の画像などを加えたより充実した内容の動画を、視聴者やリアルタイムで閲覧できなかったユーザーに届けることも可能となります。専門的な内容のセミナーなどにはとても有用な方法であり、続編がある場合にはリピーターを獲得する上でも有利になるでしょう。
セミナー内容に注力するのがおすすめ
上記の理由から、予算が許せば配信や撮影に関する設備と作業はプロに任せ、セミナーの内容の充実に力を注ぐ方が、内容自体はユーザーの満足度に繋がると思われます。ただし、セミナーの配信に関してはここ数ヶ月で急劇に需要が増えたため、実はそれほどの数の配信を手掛けたことがない会社や団体も数多くあり、発注の際は可能な範囲で過去の実績などを確認してから発注することをお勧めします。念のため、いくつかの会社から見積もりをもらうことも視野に入れておいた方が良いでしょう。
よくあるトラブルとしては、インターネット回線が何かしらの理由で止まってしまいセミナーの配信が続けられなくなるという事例が多々あります。そのため、予備の回線を準備しておき有事の際にはすぐに回線を切り替えて配信を続行できる体制も整えておいた方が良いでしょう。
まとめ
以上、簡単にYoutube上でのセミナー配信の現状や実際の運営に関する情報を、私見も交えながらまとめてみました。大きなくくりで言えることとしては、「多くの人が気軽に利用できるサービスであるが故に事前の準備とリスク対策は万全に行なっておくべき」という点が重要です。
新型コロナウイルスの影響で今後我々の生活がどう変わっていくかは想像できませんが、現状としてはインターネットを介したサービスが続々と増え、またそれを利用したコンテンツも日に日に増えていくということは間違いなく言えることでしょう。そのような状況の中で視聴者を集めて無事にセミナー配信を行うために、日々の情報収集は欠かさないようにしていきたいものです。
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