ペルソナとは?活用の場面か作り方まで解説します

今回は、この記事一つでペルソナの理解から、その必要性、そして作り方までを理解していきましょう。奥こそ深いペルソナですが、実際に使えるようになるまではそう時間を要しません。明日から実践し、あなたのビジネスを加速させていきましょう。
ペルソナとは
ペルソナとは、あなたのサービスを利用するユーザー像を指します。要はサービスを利用するであろう、架空の人物です。
- あなたの会社が制作したメガネを購入する人
- あなたのブログに訪れる人
- あなたの曲をダウンロードする人
その人を、あたかも実在する人物のように設定を作っていきます。
「30歳の男性で妻と2歳の娘が一人、埼玉の浦和でマイホームに住み、都内のWeb制作会社に勤めている。通勤中のYoutube鑑賞が趣味で、料理好き。年収は500万円、休日は~~」と言ったように、細かい設定まで作りこんでいくのです。
ペルソナマーケティングとは
設定したペルソナを前提としてサービスを作り上げていくことをペルソナマーケティングと言います。ペルソナを作ることで、その人の生活スタイル、行動の特徴からニーズを導き出すことができます。 そのニーズにピンポイントで突き刺さるサービスを作ることができるという考え方です。
ユーザーの特徴、心理状況などをより具体的にしていくことで効果を発揮します。逆に抽象的なペルソナを土台にしてしまうと、サービスの意図の焦点がぼやけ、誰からも求められないものとなってしまいがちです。
ターゲットとの認識に注意
ペルソナと混同してしまいやすい言葉に「ターゲット」があります。皆さんもよく耳にするでしょう。例えば、以下のような文言。
「この製品のターゲットは誰なの?」「30代の主婦がターゲットです。」
果たしてターゲットとペルソナの違いとはどこにあるのでしょうか?正直線引きが難しいところではありますが、簡単に言うと、おおざっぱな情報がターゲット。1人のプロフィールレベルに落とし込んだ詳細な情報がペルソナといった形です。ターゲットは抽象的な表現に対し、より具体性を持った一人の架空の人物を設計することがペルソナです。ペルソナの方が、ビジネスにおいてはより信頼性が高まります。
Web集客にはペルソナが必須
テレビ番組などのCMや雑誌の広告などは、不特定多数の人がほぼ確実に視聴します。そこで目に留まるよう、流行りの芸人や美人女優、キーフレーズを盛り込むことができるため訴求が比較的容易です。
Web上のマーケティングでは、幅を絞って狙いを定めないと誰もクリックしてはくれません。その広告やページを見るか見ないかの選択肢がユーザーの自由選択にゆだねられるからです。Web上ではこちら側から誘導していく工夫が必要なのです。
ペルソナを作ることで、その架空のプロフィールに似た境遇の人達が自然と集まってくるコンテンツを作成することができます。自分に関連する話があると、パーティーの騒がしさの中でも気づいてしまうとよくいいますが、Web上の広告や記事でも同じことが言えるのです。
「あ、このコンテンツは自分のことを話している」そう思わせるには、綿密なペルソナ設計が必要不可欠です。
ペルソナを活用する場面
ペルソナを作成することで様々なビジネスのマーケティングを強化することができます。ただ、具体的にどのような場面で活用できるのでしょうか?ペルソナの活用場面は多岐にわたるため、すべてを紹介することは非常に難しいです。ここでは、その一例程度をご紹介します。あなたのビジネスにも活用できそうか、判断材料になれば幸いです。
広告の掲載
例えばあなたの会社が広告を打つ際、どこに掲載すれば顧客を多く取り込めることができるでしょうか。例えば学生向けのサービスを展開しているとしてペルソナを立てたとしましょう。その人が見るメディアは何でしょうか。若者のテレビ離れはよく言われることです。YoutubeやSNSをよく利用するでしょう。もちろんスマホで。その人は部活をしているのでしょうか。バイトをしているのでしょうか。下校時間は6時、7時でしょうか。そのサービスに関心を示すのは、親でしょうか、その人自身でしょうか。その人の環境や感情、行動スタイルまで明確にしておけばさらに多くのことを把握できるようになり、広告の掲載のタイミング、場所、デザインなどの参考になります。
ブログ、コラム記事の作成
ペルソナを設定し、そこから悩みを導きだし解決する。ペルソナが記事を見るまでの背景、ストーリーを想像し文字に起こすことで、ユーザーはあたかも自分のために作られたかのように感じ、その記事を強く信頼することができます。 そこからの自社製品への誘導においても、大きな成果を上げるでしょう。
SEOの観点においても、その検索クエリ毎のペルソナを想定することは非常に有効な手段です。上位に上がる記事は、その検索ワードを試すユーザーの悩みを解消している記事だからです。上位記事やサジェスト、関連キーワード、口コミなどから検索者のユーザー像を作りたてていき、仮設のペルソナを組む。SEOでもペルソナ設計のスキルは生きてくるのです。
Webデザイン、自社サイトの設立
あなたの会社がホームページやランディングページを作る際、Webデザイナーにお任せするでしょうか。ここでも具体的なペルソナがあるといいでしょう。こんなユーザーだからこういうボタンの色大きさ、配置。テキストは少なめでアニメーションの多めなサイトetc.
例えば、想定ペルソナが男性か女性かだけでも対策は大きく変わります。男性は問題解決型で対物志向が強く、女性は共感型で退陣志向が強い特徴を保持しています。たったこれだけでもコンテンツのデザイン、セールスレターに違いが出ますよね。
ただ、それだけでは、価値観や偏見でその先の設定を勝手に作り上げてしまうので、さらに突き詰めてペルソナを作っていくのです。ペルソナは「共有」が非常にスムーズで、細かい意図まで正確に伝達することができます。
ペルソナを作るメリット
ペルソナを作るとユーザニーズが定まってなんとなくいいんだなと思ってもらえたかもしれませんが、具体的にペルソナを使うメリットはどんなものか解説をしていませんでしたね。以下では、ペルソナを作ることで得られる3つのメリットをご紹介します。
ユーザー視点に立つことができる
ペルソナの最大のメリットは、ユーザーの視点になりサービスを作れることです。誤解を恐れずに極端な表現をしてみます。ユーザーの特徴やその時の精神状態、周囲の環境を完璧に盛り込んだうえで、その人の視点に立って「使いたい」「買いたい」と思えるサービスを作れば、その一人はほぼ確実にサービスを利用しますよね。
あくまでも、極論です。ですが、これほどまで粒度を高めたペルソナを設定していけば、ペルソナに該当する一部のユーザーに求められるものが明確に見えてきます。ペルソナを作って初めて、その人になり切って行動や感情をイメージすることができます。
明確なユーザー像を共有できる
ペルソナは組織の共通の認識になります。その結果、一人ひとりの方向性にぶれがなく、まとまりのあるアイデアが飛び交うようになります。ペルソナよりも、抽象的な考え方をターゲットと呼ぶと説明しましたが、複数人のチームでターゲットを利用したらどうでしょう。例えば、ターゲットの設定が「30代専業主婦」だったとしましょう。ここまで抽象的だとそれ以降のユーザー像を、全員が自分のイメージ頼りに作り上げてしまいます。
「2歳くらいの子供がいるんだろうな」「きっと閉鎖的な主婦業に飽き飽きしているのだろう」「子育てで仕事を辞めているが、仕事に復帰したいと思っているに違いない」などなど。
ペルソナを設定することで、「なんとなくこうだろう」というような勝手な思い込みがなくなります。チーム一丸となった企画進行には欠かせないものなのです。
集客効果が上がる
ペルソナを設定することで、小さく的を絞った市場を確実に射貫くことができます。こういった市場を限定したマーケティング手法をニッチマーケティングと呼び、ペルソナはそれに欠かせない技術であるといえます。
万人に受けるようにと威勢だけは良しに打ち出した企画に限って、誰からも見向きされないものです。より広く!より多くの人に!世界地図に向けて放った矢が海や山ばかりに刺さるように。まるで需要を捉えられていないのです。
ペルソナに設定する項目・ペルソナの作り方
ペルソナの理解が深まったところで、実際ペルソナが作れなければ意味がありませんね。以下ではペルソナに盛り込む内容を紹介したのち、ペルソナの作り方を解説します。
ペルソナに設定する項目
プロフィール、職業や役職、その人の目指すゴール・課題の3つに分け、解説していきます。
プロフィール
その人を形作るプロフィールを想定します。
- 名前、性別、年齢
- 現住所
- 家族構成
- 職業、収入
- 学歴
- 休日の過ごし方
- 趣味、好み
- 習慣、癖
- パソコンスマホの使用頻度
- 性格、感情の特徴
職業や役職
その人の仕事にまつわる情報を想定します。
- 職業、職種、役職
- 収入
- 出勤形態
- 会社の規模
- 通勤・休憩・帰宅時の過ごし方
その人の目指すゴール・課題
その人がプライベートや仕事でどうなりたい、どうしたいと思っているか。その人が描く理想のゴール、現状の課題を想定します。
- プライベートでのゴール
- 仕事でのゴール
- それらの課題
ペルソナの作り方
それではペルソナを実際に作っていきましょう。
「ステップ1.情報の収集」、「ステップ2.ジャンル分け」、「ステップ3.一人の人間のプロフィールにする」の順です。
ステップ1.情報の収集
まずは自社にある既存顧客の定量的なデータを集めます。それ以外にも、インタビュー形式で情報を収集したり外部企業に依頼して情報を収集することもできます。SNSでの情報収集は、相当数のデータが収集できれば重要な指標になりえます。最近では公式のLINEアカウントを利用したアンケートが代表的でしょうか。Web上では政府が公開しているような統計データも閲覧することができるため、スタートアップで顧客データの少ない企業でも、工夫すれば問題なく収集できるでしょう。
ステップ2.情報のジャンル分け
収集した情報をジャンルに分けて書き出しましょう。
- 基本的なプロフィール
- 仕事の情報
- 休日などプライベートタイムの過ごし方
- その人の目指すゴールや課題
- サービスを利用した人の感情変化
- 主要な情報収集手段(その人がどのデバイスを使って情報を得るのか)
これらの項目に沿って実際に情報を振り分けていきましょう。共通の情報などが視覚的に発見しやすくなります。
ステップ3.一人の人間のプロフィールにする
先ほどのジャンル分けから共通項を見つけ出しユーザーの特徴を見出していきましょう。その上で、情報を絞り込んで1人の人間のプロフィールに落とし込みます。明確に年齢や名前まで設定し、一人の架空の人物を作り上げしょう。最初は、Web上に転がる「ペルソナシート」を活用するのもいいでしょう。プロフィールのテンプレートのようなもので、最後の作業がずっと簡単になります。
まとめ
ペルソナは、あなたのサービスを利用する架空の人物です。根拠(収集した情報)に基づいて緻密に作ったペルソナがあると、あなたのビジネスに様々なメリットを生みます。それはただ売上だけではなく、組織の連携にもかかわり、さらには効率上げやコミュニケーションの面にもいい効果を発揮します。ペルソナを作り出し、その人視点で開発をしていくことで、その人が所属するニーズの的を的確にとらえる事ができますし、その人が悩みを解消し、心から満足ができるサービスを生み出すことができるのです。
現在求められるペルソナの粒度は、以前にも比べて細かいものになりました。ニーズが多様化している昨今では、より細かく、一人の人間の生活や感情にまで目を向けて作りこんでいく必要があるのです。
ペルソナは作ってみてなんぼです。現状で集められる限りの情報で、まずは一度ペルソナを実際に作ってみましょう。作ってみて初めて、ペルソナの大切さに気づくことができるでしょう。 これまで、正直「ペルソナなんてなくても、いいサービスさえできればいいだろうと」思っていた方は、より効果を実感できるでしょう。
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